医療介護の音声入力ツール比較【2026年版】|価格と連携条件の早見表
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医療介護の音声入力ツール比較【2026年版】|価格と連携条件の早見表


目次
    1. 1)① 医療専用(電子カルテ連携・医療辞書あり)
    2. 2)② 介護専用(介護ソフト連携・介護辞書あり)
    3. 3)③ 汎用議事録AI(ソフト型)
    4. 4)④ AIボイスレコーダー(デバイス型・録音機+AI一体)
    1. 1)A. 価格が公開されていて、今日から試せるもの
    2. 2)B. 価格が非公開(要問い合わせ)のもの
    1. 1)この記事で紹介したツール(情報元)

結論を先に書きます。

医療介護の音声入力ツールは数が多くて迷いますが、絞り込みの順番は決まっています。

  • 価格が公開されているのは、汎用の議事録AIとAIボイスレコーダーだけ。専用ツールはほぼ要問い合わせ
  • 専用ツールは「いま使っている介護ソフト・電子カルテ」でほぼ自動的に決まる。選ぶ余地は思ったより小さい
  • 精度を分けるのは製品の優劣ではなく、専門用語の辞書を持っているかどうか

この記事で扱うもの:

  • 医療専用:AmiVoice Ex7、HOPE LifeMark-Voice、MegaOak Voice Assist、Speech ER
  • 介護専用:ハナスト、ミルモレコーダー、ワイズマン、ほのぼの ほか
  • 汎用議事録AI:Otolio(旧スマート書記)、Notta、Rimo Voice、toruno
  • AIボイスレコーダー:PLAUD、Anker Soundcore Work

価格と連携条件は2026年8月16日時点で各社の公式サイトを確認したものです。この分野は改定が早いので、最終確認はご自身でお願いします。

介護記録・ケアプランに絞って読みたい方は、先に介護の音声入力の記事へ進んでください。この記事は医療も含めた全体像と、価格・連携条件の一覧に振っています。

なぜ今、音声入力なのか

2026年5月の経済財政諮問会議で、医療介護のAI活用が国の方針として動き始めました。そこで挙げられた4つの柱の一つが「音声入力」です。(この動きの読み解きは別記事「人手不足の正面に、AIが座った」に書きました)

要するに、音声入力は「いつかやること」ではなく「今から始めること」のフェーズに入っています。記録・議事録・計画書づくりに追われている現場ほど、効果が大きい分野です。

音声入力ツールは大きく4タイプ

ひとくちに「音声入力ツール」と言っても、性格の違う4タイプがあります。ここを分けて考えると、迷いが減ります。

音声入力ツールの4タイプ分類図。医療専用・介護専用・汎用議事録AI・AIボイスレコーダー(デバイス型)

① 医療専用(電子カルテ連携・医療辞書あり)

電子カルテへの音声入力に特化し、診療科ごとの医療用語辞書を持つタイプ。AmiVoice Ex7、HOPE LifeMark-Voice、MegaOak Voice Assist、Speech ER など。精度は高いがコストも規模も大きめです。

AmiVoiceは現在Ex7という世代になっていて、診療科・職種ごとに製品が分かれています。Clinic、HospitalClient、Rad(放射線)、Pharmacy(薬剤)、Orthopaedic(整形外科)、Dental(歯科)、Care(介護)、そしてRehab(リハビリテーション記録向け)まであります。

リハビリ職として補足しておくと、Ex7 Rehabは紹介状・看護記録・SOAPに対応し、「筋形成」「義手」といったリハビリ現場の用語を辞書に持っています。電子カルテのメーカーを問わず使える設計です。自分の職種の名前がついた製品があることを知らない人は、意外と多いのではないでしょうか。

② 介護専用(介護ソフト連携・介護辞書あり)

介護記録ソフトと連携し、褥瘡・嚥下・拘縮といった介護用語に対応するタイプ。ハナスト、ワイズマン音声記録AI、ミルモレコーダー、ほのぼのNEXT音声入力など。ケアプラン作成に特化したAIケアプラン・SOIN・ミルモぷらんもこの仲間です。

このタイプは選定の前提条件が厳しく、詳しくは介護の音声入力の記事にまとめています。ここでは価格と連携条件だけ次の表で扱います。

③ 汎用議事録AI(ソフト型)

医療介護専用ではないものの、会議・カンファレンスの議事録に十分使えるタイプ。Otolio(旧スマート書記)、Notta、Rimo Voice、toruno、AI GIJIROKU など。月数千円から始められ、運営会議や地域連携会議の記録に向きます。

長く「スマート書記」の名前で知られていたサービスは、2025年12月1日にOtolio(オトリオ)へ名称変更しました。中身は同じサービスで、機能もサポートも引き継がれています。検索して「見つからない」となった方はこの名前で探してみてください。

④ AIボイスレコーダー(デバイス型・録音機+AI一体)

録音から文字起こし・要約までを小さな専用デバイス+アプリで完結させるタイプ。PLAUD(Note Pro/NotePin S)や、2026年3月に出たAnker Soundcore Work など。ICレコーダーの「AI内蔵版」と考えると分かりやすく、導入のハードルが最も低いのが特徴です。

名前が紛らわしいのですが、ミルモレコーダーはこのタイプではありません。専用デバイスは不要で、手持ちのスマホ・タブレット・PCで動くクラウドサービスです(②に分類しています)。

価格と提供形態の早見表(2026年8月16日時点)

このジャンルで最初に知りたいのは値段だと思います。ところが調べてみると、価格が公開されているものと、そうでないものにきれいに分かれます。

A. 価格が公開されていて、今日から試せるもの

ツール提供形態価格(税込・公式表記)無料で試せる範囲
Nottaクラウドプレミアム 1,185円/月(年払)・ビジネス 2,508円/月(年払)無料プラン 120分/月
Rimo Voiceクラウドプロ 4,950円/月・チーム 6,600円/月無料ではじめる導線あり
ミルモレコーダークラウド(介護特化)5,000円/月(40時間/月・年払5%引)無料トライアル 3時間・7日間
torunoクラウド(法人)ビジネスAI要約 月30時間 27,000円/月100時間 85,500円・初期費用0円要確認
PLAUD Note Proデバイス+アプリ本体 30,800円無料枠あり・上位プランは別料金
PLAUD NotePin Sデバイス+アプリ本体 28,600円同上
Anker Soundcore Workデバイス+アプリ本体 24,990円Starter 0円/年・Pro 15,980円/年・Unlimited 38,980円/年

デバイス型で見落としやすいのが、本体を買って終わりではないことです。Anker Soundcore Workは本体24,990円のほかに文字起こしプランがあり、無料のStarterで足りなければ年額15,980円のProへ上がります。PLAUDも同様に無料枠と有料プランが分かれています。月あたり何時間録音するかを先に見積もってください。

B. 価格が非公開(要問い合わせ)のもの

ツール提供元価格導入の前提条件
AmiVoice Ex7 各種アドバンスト・メディア非公開電子カルテ環境に合わせて構成。診療科・職種別に製品が分かれる
HOPE LifeMark-Voice富士通Japan非公開富士通HOPEシリーズ利用が前提
MegaOak Voice AssistNEC非公開NEC MegaOakシリーズ利用が前提
Speech ERTXP Medical非公開救急外来向け
ハナストケアコネクトジャパン非公開CAREKARTE利用中、または新規購入する事業所のみ
ワイズマン音声記録AIワイズマン非公開ワイズマン製品との組み合わせ
ほのぼのNEXT 音声入力NDソフトウェア非公開(ほのぼのVoiceは無料提供)ほのぼのシリーズ利用が前提

表のB側を見ると、この分野の実態が見えてきます。専用ツールは「どれが良いか」を比較して選ぶものではなく、いま使っている基幹ソフトによって選択肢がほぼ決まる、という構造です。

とくにハナストは、CAREKARTEを使っているか新規購入する事業所しか利用できないと公式に明記されています。他社ソフトを使っている事業所がいくら比較記事を読んでも、この時点で候補から外れます。比較検討に時間をかける前に、まず自施設の基幹ソフトを確認するのが早道です。

精度を分けるのは「辞書」──方言と誤認識の実際

ツール選びで一番聞かれるのが精度の話です。ここは製品の優劣というより、辞書を持っているかどうかで説明がつきます。

汎用の文字起こしAIは、一般的な日本語を広く学習しています。だから日常会話は得意でも、「褥瘡」「拘縮」「筋形成」「義手」といった語は候補に上がりにくい。一方、AmiVoice Ex7やハナストのような専用ツールは、診療科や介護現場で使う語をあらかじめ辞書に持っています。同じ音声を渡しても結果が変わるのは、この差です。

方言についても触れておきます。AmiVoice Ex7は事前の音声登録が不要で、イントネーションや訛りによらず認識する設計だと公式に説明されています。

そして、ここは実際に使ってみて意外だったところです。私は山口で働いていますが、方言が原因で崩れたという記憶がありません。訛りは、思っていたほど問題になりませんでした。

崩れるのは別のところでした。同音異義語です。しかも、声が聞き取りにくいときに起きます。

  • 「移乗」が「異常」になる
  • 車のミニバンを指す「バン」が「BAN」になる

移乗と異常は、どちらも介護の記録に普通に出てくる言葉です。「移乗時に」が「異常時に」に変わっても、文章としては成立してしまいます。明らかな文字化けなら読み返せば気づきますが、意味の通る別の語に化けると見落とします。

つまり精度は「何パーセント当たるか」より、外したときに気づけるかで見たほうが実務的です。同音異義語は認識率の数字には表れにくく、それでいて記録の意味を変えてしまいます。次に挙げる用語集を渡すやり方は、この対策としても効きます。

現場で効くのは、次の3つです。

  1. 導入前に自分の声でテストする デモや無料枠で、実際の申し送りに近い内容を話して試す。カタログの認識率より、自分の声と自施設の用語で確かめたほうが確実です。

  2. 用語集を作ってAI側に渡す 汎用ツールでも、要約させる段階で用語集を渡せば表記は揃えられます。先ほどの「移乗と異常」のように紛らわしい組み合わせは、用語集に書いておくと化けにくくなります。この記事の後半に、そのままコピペして使えるプロンプトを載せています。

  3. 固有名詞は最初から入れない 利用者名・職員名は誤変換の温床であるうえ、個人情報の観点でも入れないほうが安全です。「利用者A」「担当者B」で録音し、必要なら後から差し替える運用が結局は速くなります。

なお、誤認識をゼロにする前提で導入すると、たいてい失敗します。手で直す時間を含めても手書きより速いか、という比べ方が現実的です。

選ぶときの判断軸は3つだけ

迷ったら、この3点で考えると決まります。

  1. いま使っている介護ソフト・電子カルテとの連携 ここが最大の分かれ目です。CAREKARTEならハナスト、NDソフトならほのぼの音声入力、富士通HOPEならLifeMark-Voice、NECならMegaOak——既存システムに合うものを選ぶと、記録から請求まで途切れません。逆に言えば、基幹ソフトが決まっている時点で選択肢はほぼ確定します。

  2. 専門用語の辞書があるか AmiVoice Ex7系(医療)やハナスト・ミルモレコーダー(介護)は専用辞書を持つので、専門用語の変換が安心です。汎用の議事録AIやAIボイスレコーダーは、辞書がない分、事前に用語をテストしておくと安全です。

  3. 規模とコスト 個人〜小規模なら月1,000〜5,000円台の議事録AIや2〜3万円台のAIボイスレコーダー、法人単位ならtorunoのように月2万円台〜、大規模病院の電子カルテ連携型は要問い合わせ、と幅があります。「まず小さく試して、効果を見てから本格導入」が失敗しにくい順序です。

私はこう使っている(現場管理職の実例)

参考までに、私自身の使い方です。専用ツールはまだ導入しておらず、手元の機器と汎用AIの組み合わせで回しています。

  • 入力:ICレコーダー、またはスマホの音声入力で録音・入力する
  • 用途でAIを使い分け
    • 会議の議事録の要約や、新人向け手順書の作成は NotebookLM
    • スケジュール管理は Gemini に音声で伝えて、Googleカレンダーへ登録してもらう

効果は、以前から書いている通り、広報委員会の議事録が3日かかっていたのが10分になりました。それに加えて実感しているのが、保管とあと追いのしやすさです。もともと手書きだった記録が、見やすいテキストで残るので保管が楽になり、デジタル化されたことで「あの時どう決めたか」を後から検索して確認できるようになりました。手書きにはなかった価値です。

専用ツールを入れていなくても、ここまではできます。だからこそ、最初の一歩は気軽でいいと思っています。実際の手順はNotebookLMで議事録を作る全手順にまとめています。

どこから始めるか:まずは「手元の延長」から

録音→文字起こし→AIで要約の3ステップと、ICレコーダー+手書き起こしからAIボイスレコーダーへの置き換え

いきなり電子カルテ連携の専用ツールを検討すると、コストも調整も重くなります。おすすめは、自分の今の使い方の延長から始めることです。

私のように ICレコーダー+手動で文字起こし をしている人なら、それを AIボイスレコーダー(PLAUDやAnker Soundcore Work)に置き換えるのが分かりやすい第一歩です。録音した瞬間に文字起こしと要約まで終わるので、「録音 → 自分で書き起こす」の手間がまるごと消えます。

文字起こししたテキストをAIで整えるときは、こんなプロンプトが使えます(コピペで使えます)。

以下は会議の文字起こしです。次の形式で議事録にまとめてください。

# 形式
- 日時・参加者
- 議題ごとの「決まったこと」
- 宿題(担当者・期限つき)

# ルール
- 雑談や言い直しは省く
- 専門用語は下の用語集の表記に統一する
- 下の「間違えやすい語」は文脈から正しいほうを選ぶ。判断できない箇所は [要確認] と付ける

# 用語集
(例:PT=理学療法士、ADL=日常生活動作 …)

# 間違えやすい語
(例:移乗/異常、バン〔車〕/BAN …)

# 文字起こし
(ここに貼り付け)

この「録音 → 文字起こし → AIで整形」の型を一度体験すると、効果が腹落ちします。そのうえで、自施設の介護ソフトに合う専用ツールへ進むかを考えれば十分です。

一つだけ注意:患者・利用者の情報の扱い

便利な反面、忘れてはいけないのが個人情報です。患者・利用者が特定できる情報は、仮名化・抽象化してから使う、AIサービスの学習設定を確認する、といった配慮が必要です。

とくに汎用の議事録AIやAIボイスレコーダーは、医療介護向けに作られたサービスではありません。入力した内容が学習に使われるかどうかは、無料版と法人版でも扱いが変わります。サービスごとの違いと、確認すべき場所は学習に使われないAIはどれ?にまとめました。導入を決める前に、ここは一度目を通してください。

まとめ

  • 価格が公開されているのは汎用議事録AIとAIボイスレコーダーだけ。専用ツールはほぼ要問い合わせ
  • 専用ツールは基幹ソフトでほぼ決まる。ハナストのようにソフト利用が利用条件になっている例もある
  • デバイス型は本体価格だけで終わらない。文字起こしプランの月額・年額まで見て判断する
  • 精度を分けるのは辞書。導入前に自分の声と自施設の用語でテストする
  • まずは手元の延長で「録音→文字起こし→AI要約」の型を試し、効果を実感してから専用ツールへ

「自分の施設にはどれが合うのか」「どう導入を進めればいいか」のご相談は、お問い合わせからどうぞ。現場目線で一緒に整理します。


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この記事で紹介したツール(情報元)

価格・仕様は2026年8月16日に各公式サイトで確認したものです。改定される分野なので、最終確認は各社の最新情報でお願いします。

医療専用

介護専用

ケアプラン作成

汎用議事録AI

AIボイスレコーダー