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目次
PT出身で、いまは医療事務をしている室長てつです。
仕事が覚えられない。同じことを何度も聞くのが申し訳ない。教わったことと手元のマニュアルが違っていて、どちらが正しいのかわからない。新しい職場や部署で、そう感じていませんか。
仕事の覚え方は、記憶力より回し方で決まります。1回で覚えようとせず、教わったことを照らし合わせ、やってみて、確認してもらう。ずれた所を直した2周目で、手順は固まります。
回すのは、次の6段です。
- 教わる(許可をもらって録音・メモはフックだけ)
- 照合する(録音・メモ・手元の資料を突き合わせる)
- やってみる
- 確認してもらう
- 振り返る(ずれた所と理由を残す)
- 余裕ができたら、マニュアルを整える

異動して医療事務の仕事を覚えている途中の私が、実際に回しているやり方を順に書きます。
この記事でわかること。
- 覚えることのうち、教わるしかない部分の見分け方
- あとで流れを思い出せるメモの取り方
- 録音・メモ・資料を照らし合わせるプロンプト
- 指導者に確認をお願いするときの言い方
1回で覚えようとしない。2周目で固める
覚えられないのは、記憶力が足りないからではありません。教わったことを確かめる段がないまま、次の説明に進んでしまうからです。
私は2026年の秋に、リハビリの現場から医療事務の部署に移りました。今回は準備の期間がしばらくあったので、担当する部署の診療報酬・介護報酬の制度を勉強しながら、実務を覚えていきました。
やってみてわかったのは、覚えることには2種類あるということです。
| 種類 | 例 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 制度・ルール | 診療報酬・介護報酬のしくみ、書類の名前 | 本や厚生労働省の資料で自分で学べる |
| その部署のやり方 | 独自の手順、フォルダの場所、管理のしかた | 教わるしかない |
教わる量そのものは、それほど速くありませんでした。大変だったのは、その部署ならではの手順や、ファイルの置き場所、管理のしかたです。どこにも書いていないので、教わったその場で取りこぼすと、あとから自分では調べられません。
だから、教わる部分は1回で覚えようとせず、確かめる段を挟んで2周目で固めます。
教わる:録音は許可をもらって、メモは「フック」だけ
教わる時間は、聞くことに集中します。記録は録音に任せ、メモは最小限にします。
録音は、目的を添えてひと言断る
録音は、必ず相手に断ってから始めます。私は「引き継ぎのため」と目的を添えてお願いし、「いいですよ」と言ってもらえました。
引き継ぎを取りこぼしたくないので、説明を録音させてもらってもいいですか。
自分の手順書づくりにだけ使います。
患者さん・利用者さんがいる場面、人事や会議の話、断られたときは録りません。録らなかった場面は、私はメモ書きで残しました。
録音の頼み方と、録る場面・録らない場面の線引きは、自分用マニュアルの作り方で詳しく書いています。
メモは、記憶を引き出すフックにする
教わりながら、手順を細かく書き写すのは無理です。書いている間に、説明が先に進みます。
私のメモは、ポイントだけです。あとでメモを見たときに、教わった流れを思い出すきっかけ(フック)になる言葉を書いておきます。
フックになりやすいのは、次の4つです。
- 順番の目印(「最初に一覧」「最後に赤で記入」)
- 場所(フォルダや画面の名前を、自分がわかる言い方で)
- 数字と期限
- その場で聞けなかったこと(「?」を付けて)
詳しい手順は、録音とあとで照らし合わせれば戻せます。メモの役目は、録音のどこを聞き直せばいいかを思い出させることです。
最初にそろえる道具
このやり方でいちばん手間なのは、最初に道具をそろえることです。
私はもともと、ICレコーダー、AIの録音機(PLAUD Note)、パソコン、Claude Code(有料プラン)を使っていたので、流れは前からできていました。初めて回す人には、ここが大変だと思います。
いちばん手軽なのは、録音から文字起こしまでを1台で済ませられるAIの録音機を用意することです。録ったものがクラウドで文字になるので、パソコンで照らし合わせる段にすぐ入れます。
慣れてきたら、Claude CodeやCodexのようなAIエージェントで、文字起こし・メモ・手順書をまとめて管理するのもおすすめです。ただ、始めるハードルは高いので、まずは録音機1台からで十分です。
教わる時間を聞くことに使いたい人は、録音から文字起こしまで1台で済む録音機から始めると、6段がすぐ回り始めます。
録音から文字起こしまで、1台で済ませたい人に
照合する:録音・メモ・資料を突き合わせる
教わったら、その日のうちに照らし合わせます。
録音して手順を整理しても、どうしても抜けが出ます。文字起こしの誤字で手順があいまいになることもあります。画面を指さして「ここ」「これ」と説明された所は、音声だけではわからないので、文字にしてもわかりません。
そこで、次の3つを並べます。
- 録音の文字起こし
- 自分のメモ
- 手元の資料(前任者のマニュアル、職場の手順書。あれば)
3つを並べると、食い違いと抜けが見えてきます。私の手順書に残った「要確認」は、ファイルの置き場所、画面の名前、金額の根拠などでした。
プロンプト:3つを照らし合わせる
次の3つは、同じ業務について教わったときの記録です。
照らし合わせて、表にしてください。
# 表の列
- 手順
- 文字起こし
- メモ
- 資料
- 判定(一致/食い違い/抜け)
# 書き方
- 3つのどれにも書いていないことは足さない
- 食い違いは、どちらが正しいか判断しない。「食い違い」として並べるだけ
- 「ここ」「これ」など、場所があいまいな所は「抜け」にする
- 最後に「指導者に聞くこと」を箇条書きでまとめる
- 人の名前は「担当者」に置き換える
# 文字起こし
(ここに貼る)
# メモ
(ここに貼る)
# 資料
(ここに貼る。無ければ「なし」)
できあがる表は、たとえば次のような形です(架空の業務の例です)。
| 手順 | 文字起こし | メモ | 資料 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| 一覧で対象者を確かめる | あり | 「最初に一覧」 | あり | 一致 |
| 金額を入力する | 「1,000円で」 | 書いていない | 1,100円 | 食い違い |
| 入力後の記録 | 「ここに書いて」 | 「赤で記入」 | 書いていない | 抜け(置き場所) |
食い違いは、自分で決めないでください。資料が古いのか、説明が例外の話なのかは、その場にいなかった自分にはわかりません。「要確認」として指導者に聞きます。
制度にかかわる所は、AIの説明をうのみにせず、厚生労働省の告示・通知などの一次情報で確かめます。AIは、何を確かめればいいかを洗い出すところまでに使います。
やってみる→指導者に確認してもらう
照らし合わせたら、自分の手で1回やってみます。「要確認」の一覧を手元に置いておき、迷った所に印をつけながら進めます。
私は、教わりながら自分用のマニュアルを作り、それを見ながら実務をやってみています。終わったら、指導者に「やった後で確認をお願いします」と頼みます。
確認の頼み方は、質問を具体的にすると相手の時間も短くて済みます。
〇〇の手順を、このメモのとおりにやってみました。
ここ(印の所)が2通りに聞こえて迷ったので、合っているか見てもらえますか。
自分用のマニュアルを作っていることは、指導者にとても好意的に受け止めてもらえました。
- やってみる前に「要確認」を一覧にしておく
- 確認は「やった後で」まとめてお願いする
- 質問は「ここが2通りに聞こえた」のように具体的にする
振り返る:ずれた所と「理由」を残す
確認してもらったら、ずれていた所を直します。このとき、手順だけでなく「なぜそうするのか」も1行残しておきます。
医療事務は、お金が関わる所が多い仕事です。細かな確認や、一覧のチェックがたくさんあります。最初は、なぜその確認が必要なのかわからない所ばかりでした。
それが、やっていくうちに「この点数を取るためには、この確認が必要なんだ」とつながってきました。理由がわかると、手順を丸暗記しなくても、次に何をすればいいかが自分で判断できます。
リハビリの職場の記録の書き方や加算の要件にも、それぞれ理由があります。
プロンプト:振り返りメモを整える
次は、ある業務をやってみて、指導者に確認してもらった後の振り返りメモです。
自分用の記録として整えてください。
# 書き方
- 見出しは「直した所」「理由(なぜそうするか)」「次に気をつけること」「まだわからないこと」
- 理由は、メモに書いてある範囲だけで書く。書いていなければ「まだわからないこと」に回す
- 1行に1つ
# メモ
(ここに貼る)
「まだわからないこと」は、次に確認をお願いするときの質問になります。同じことを2回聞かないための記録です。
余裕ができたら、マニュアルを整える
5段を何周か回すと、手元に手順・理由・要確認の記録がたまってきます。それを自分用のマニュアルにまとめるのが、6段めです。
最初からきれいなマニュアルを作ろうとしなくて大丈夫です。回しているうちに、自然に材料がそろいます。
文字起こしから手順書の下書きを作るプロンプトと、清書のタイミングは、こちらにまとめています。
関連記事
自分用マニュアルの作り方|異動先で教わったことを文字起こし×AIで手順書に
異動先で教わることが多すぎて、メモが追いつかない。そんなときは、ひと言断って説明を録音し、職場の用語辞書つきで文字起こししてから、AIで手順書の下書きにします。清書は自分で1回やってから。頼み方の例文、用語辞書の有無で変わった誤り率の実測、コピペで使えるプロンプト3本、録らない場面と音声の後始末までまとめました。
職場に出す手順書にするときは、個人を特定できる情報を消してから出します。録音や文字起こしの原本の保存場所と消す時期は、職場のルールに合わせて決めておきます。
よくある質問
仕事は、何日くらいで慣れますか?
職場や業務によって違うので、日数では言えません。目安にしてほしいのは、日数より「確かめ方ができたか」です。2日目や2週間目で覚えられていなくても、照らし合わせて確認してもらう流れができていれば、2周目で固まっていきます。
録音を断られたら、どうすればいいですか?
その場はメモに切り替えます。メモはフックだけにして、帰ってから覚えていることを自分の声でスマートフォンに話して残すと、録音に近い形で拾えます。
何度も聞くのが申し訳ないときは?
聞くこと自体を減らすより、聞き方をまとめます。「要確認」を一覧にしておき、やってみた後にまとめて確認をお願いすれば、相手の時間は短く済みます。
教える側は、何をすればいいですか?
新人が「やった後で確認をお願いします」と来たときに、見る時間を短く取ってもらえると、この流れは回ります。迷った所に印をつけてもらえば、全部を見直さなくても、ずれた所だけ直せます。
まとめ
仕事の覚え方は、1回で覚えることではなく、2周目で固めることです。
- その部署のやり方は、教わるしかない。だから記録して確かめる
- 録音・メモ・資料を照らし合わせ、食い違いは「要確認」にする
- やってみた後で、具体的な質問にして確認をお願いする
- ずれた所は、手順と一緒に理由を1行残す
小さな一歩として、明日教わる業務を1つ選んでください。6段を全部やらなくても、照らし合わせる段と、確認をお願いする段の2つだけで、覚え方が変わります。
録音から文字起こしまでを1台で済ませて、照らし合わせる段にすぐ入りたい人は、AIの録音機が近道です。
教わる時間を、聞くことに使いたい人に
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