理学療法士から一般企業・事務職へ転職した話|40代で半年、AIを使ってやったこと
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理学療法士から一般企業・事務職へ転職した話|40代で半年、AIを使ってやったこと


目次
    1. ―1)「なぜPTを辞めるのか」には、課題→行動→挑戦で答える
    1. ―1)転職エージェントは「AIで拾えない情報」を取りに行く場所

40代で理学療法士から事務職へ転職した室長てつです。

PTの経験って、一般企業で通用するんだろうか。

通用します。ただし「リハビリができます」では通りません。評価して計画を立てる、多職種をまとめる、書類と制度を回す。 現場で当たり前にやってきた仕事を、一般企業の言葉に直したときに評価されます。

この記事で使うもの。

  • AIチャット(筆者はGemini。Deep Researchを企業調べに使いました)
  • 求人サイト
  • 自分の仕事の棚卸しメモ(職務経歴書の記事の手順1で作れます)

筆者は、介護職から理学療法士へ、理学療法士から事務職へと、2回転職しています。直近は40代で、年をまたいで半年ほどの転職活動でした。そのときの流れと、AIの使いどころをまとめます。

  • PTから一般企業に移るときの、転職先の2つの選び方
  • 40代で実際に動いた半年間の流れ
  • AIで企業と業界を調べ、面接の想定問答を作るプロンプト
  • 年収と年齢の現実、移ってみて感じたこと

理学療法士から一般企業への転職は難しい?

難しいのは資格ではありません。年齢と、給料の相場です。

有名どころの転職エージェントには、いくつか登録しました。ただ、40代・専門職だと反応はよくありませんでした。PTの給料が、異業種の未経験採用の相場より高めだったことも関係していたと思います。

一方で、求人サイトで自分で探した求人では、最終面接まで進みました。ルートを変えれば、道はあります。

年収は、維持したまま移れました。しかも、この先の上げ幅がある職場です。

PTは、リハビリ部門の中で昇格できる枠が多くありません。リハビリの収入は制度で単価が決まり、1日に担当できる件数にも上限がある。給料の頭打ちは、本人の頑張りより業界の仕組みで決まっている部分が大きい。 業界を変えると、給料の決まり方そのものが変わります。筆者が異業種を選んだ理由の1つがここでした。

  • 難しさの正体は、資格ではなく年齢と給料の相場
  • 大手エージェントが合わなくても、自分で探すルートがある
  • 頭打ちは業界の仕組み。業界を変えると上げ幅が生まれる

転職先は「業界を変える」か「職種を変える」かで考える

一般企業と一口に言っても、方向は2つあります。職種と業界、どちらか片方を変えると考えると整理がつきます。

PTから一般企業への転職先は2方向。①資格を活かして業界を変える(医療機器・福祉用具・ヘルスケア系企業)②経験を活かして職種を変える(事務・運営、営業、コンサル、企業を支援する仕事)

筆者は、経験を活かす方向でした。実際に検討したのは次の4つです。

  1. 医療介護の制度まわりの事務・運営
  2. 保険業界の営業系
  3. 経営コンサル
  4. 企業を支援する仕事(最終面接まで進んだのはここ)

最終的に選んだのは事務職です。もともと職場で、制度や運営まわりの仕事をしていました。現場の仕事よりデスクワークの比重が大きくなっていたので、その経験がそのまま活きる形を選びました。

どちらの方向でも、両方を一度に変えるのは難しくなります。未経験の業界で、未経験の職種。40代でこれを狙うと、書類の段階で止まりやすい。片方は、これまでの経験で勝負する。 この考え方で求人を見ると、候補が絞れます。

いまの自分が「資格を活かしたい」のか「経験を活かしたい」のか。まずは、どちらか1つに丸をつけてみてください。

筆者が半年でやったこと

時系列で並べると、こうなります。

40代・約半年の転職活動の流れ。方向を決める→登録・探す→書類を作る→企業を調べる→面接に備える→決める。AIを使ったのは書類・企業調べ・面接準備の3か所

  1. 方向を決める:同業も異業種も見た。デスクワーク系も視野に入れた
  2. 登録する:有名どころのエージェントに登録→反応が薄く、求人サイトで自分で探す形に切り替えた
  3. 書類を作る:履歴書・職務経歴書はAIで作成
  4. 企業を調べる:GeminiのDeep Researchで、企業の背景と事業を調べた
  5. 面接に備える:オンライン面接の想定問答をAIで準備した
  6. 決める:これまでの経験が活きること、上を目指せることで決めた

振り返って大事だったのは、1番です。求人を見始める前に、「なぜ辞めるのか」と「次で何をしたいのか」を一文で言える状態にしておく。ここが決まっていないと、求人を見るたびに気持ちが揺れて、書類も面接もぶれます。

「患者さんのために」は、同業なら伝わります。異業種の面接官には、その先が伝わりません。これまでの経験で、まだやっていない仕事をしたい。 異業種に出すなら、この形で言えるようにしておくのがおすすめです。

書類の作り方は、別の記事にまとめています。

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理学療法士の職務経歴書はAIで作る|同業・異業種で書き分けるプロンプト付き

理学療法士の職務経歴書で詰まるのは、書き方より「言い換え」です。40代で転職活動をしたPTが、Geminiと相談しながら職務経歴書を作った手順を、そのまま使えるプロンプト4本と架空の見本つきでまとめました。同業向けと異業種向けの書き分け、AIで書いたとバレないためのチェック、書類の出し先まで。

記事を読む →

書類で落ちることもあります。それは能力の否定ではなく、相性とタイミングの問題がほとんど。1社に固執せず、次の求人に移るほうが早く進みます。

AIの使いどころ①:知らない業界の企業を調べる

異業種の求人票は、用語から分かりません。その会社が何で稼いでいて、この職種が1日何をしているのか。ここが見えないまま応募すると、志望動機が薄くなります。

筆者はGeminiのDeep Researchに、企業名と求人票を渡して調べてもらいました。事業の中身、取引先、最近の取り組み。自分で検索して回るより、ずっと速く全体像がつかめます。

次の企業に応募を考えています。企業名と求人票を貼ります。

(企業名)
(求人票の「仕事内容」「求める人物像」「必須・歓迎スキル」)

次の順で調べて、表にまとめてください。
1. この会社は何で売上を上げているか(主な事業・顧客)
2. 募集している職種は、1日の中で何をしているか
3. 最近の取り組みやニュース(出典のURLをつける)
4. 私は理学療法士です。私の経験と、この会社・この職種が重なる点を3つ

4番が大事です。PTの経験と相手の仕事の接点を、AIに先に出してもらう。自分では思いつかなかった接点が見つかります。

ただし、AIの企業情報は古かったり、間違っていたりします。数字と最新の情報は、会社のホームページで確かめる。 ここは人の仕事です。

調べた内容を志望動機の文章につなげる手順は、志望動機をAIで作る手順とプロンプト4本に書いています。

AIの使いどころ②:面接の想定問答を作る

ここは、筆者の失敗から書きます。

面接で一番困ったのは、「最近のこの業界の動向について、どう考えていますか」と聞かれたことでした。企業のことは調べていました。でも、業界全体のことは十分に調べていなかった。 答えに詰まりました。

異業種の面接では、同じ業界の人と比べられます。業界の話ができないと、「外から来た人」に見えてしまう。企業調べとセットで、業界も調べておくべきでした。

いまならこう聞きます。

私は理学療法士で、次の業界の企業に応募します。

(業界名、または企業名)

この業界について、面接で話せるように準備したいです。
1. ここ1〜2年の大きな動き(制度の変更、市場の変化、よく話題になる課題)を5つ
2. それぞれ、出典のURLをつける
3. 面接で「業界の動向をどう思うか」と聞かれたときの答えの骨子を2つ
   (医療介護の現場にいた立場から言えることを入れる)

骨子はあくまで材料です。そのまま読み上げると、次の質問で崩れます。自分の言葉で言い直せるものだけを残す。

業界を押さえたら、次は想定問答です。

次の求人に応募し、面接を受けます。求人票と、私の職務経歴書を貼ります。

(求人票)
(職務経歴書)

1. 面接で聞かれそうな質問を10個出してください
   (「なぜ理学療法士を辞めるのか」「医療以外で何ができるのか」を必ず入れる)
2. それぞれ、答えの骨子を箇条書きで3行以内
3. 私の経歴で、面接官が不安に思いそうな点と、その答え方

「なぜPTを辞めるのか」には、課題→行動→挑戦で答える

異業種の面接で、ほぼ必ず聞かれる質問です。

筆者はこう答えました。自分の経験を活かして、今までしてこなかったキャリアに挑戦したい。

これを分けると、3つの部分でできています。

  1. 課題:PTとしての経験は積んだ。ただ、このままでは仕事の幅が広がらない
  2. 行動:現場では、制度や運営まわりの仕事にも関わってきた
  3. 挑戦:その経験を、今度は現場を支える側で活かしたい

前の職場への不満は言いません。不満があっても、それは「課題」として言い換えます。

弱みも同じように言い換えられます。PTが異業種で弱みと思いがちなことは、見方を変えると強みです。

弱みに見えること言い換え
臨床しか知らない相手の状態を評価して計画を立て、結果を見て直してきた
営業の経験がない本人や家族に説明し、納得してもらうことを毎日やってきた
事務の経験が少ない計画書・報告書・請求まわりの書類を、期限どおりに回してきた

もう1つ。面接の終わりに「入社したら最初の3か月で何をするか」を話せると強いです。PTには、評価→計画→再評価という型があります。最初の1か月で仕事を知り、2か月目で課題を1つ見つけ、3か月目で小さく直してみる。 現場で毎日やってきた型を、そのまま入社後の話に使えます。

一般企業に移って感じたこと

良かったのは、立ち位置です。現場で直接関わる仕事から、現場を下支えする仕事へ。このポジションが、筆者には合っていました。

戸惑ったのは、人と文化の違いです。関わる職種も、その人たちが積んできた経験も、これまでとまったく違う。職場ごとの考え方や進め方の違いに、最初はギャップを感じました。医療介護の常識が、そのまま通じるわけではありません。

「事務の仕事はAIでなくなるのでは」と心配する声もあります。筆者の実感では、なくなるのは作業の一部です。書類づくりや調べものはAIに任せ、判断と調整を人がやる。AIを使う側に回れる人は、むしろ事務の現場で重宝されます。

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異動の引き継ぎをAIで作る。手順より先に「判断」を書き残す

引き継ぎで失われるのは手順ではなく判断です。業務の棚卸しをAIにさせ、判断基準・落とし穴・期限をAIに聞き出させ、手順書どうしの矛盾を横断点検させる。異動の引き継ぎで実際に使ったプロンプト3本と、渡したかどうかを日付で見える形にするチェックリストの作り方をまとめました。

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辞めると決めたら:在職中に動き、引き継ぎを先に作る

転職活動は、いまの仕事を続けながら進めるのが基本です。辞めてから探すと、焦りが判断を曲げます。

退職を切り出すのは、内定が出て条件が確定してから。PTの場合は、担当している利用者さんや患者さんの引き継ぎが要ります。年度の区切りや、担当の入れ替えの時期も考えておくと、職場との話がこじれにくくなります。

引き継ぎ書は、AIで下書きを作れます。辞めると決まってから慌てないように、早めに手をつけておくと楽です(上の記事で手順をまとめています)。

求人はどこで探す?

筆者の結論は、職務経歴書の記事と同じです。

  • 異業種・デスクワーク:求人サイトで自分で探し、書類をAIで磨いて直接応募する
  • 資格を活かす企業や、同業も並行して見る:リハビリ職に特化した転職サービスも使う

40代・専門職で大手エージェントの反応が薄かったのは、筆者の体験です。合う・合わないは人によります。1つのルートで反応がなければ、別のルートに切り替える。 これだけ覚えておけば十分です。

転職エージェントは「AIで拾えない情報」を取りに行く場所

エージェントが要らない、という話ではありません。

会社の事業、公開されている口コミ、業界のニュース。こうしたオープンな情報は、いまはAIでかなり集められます。一方で、職場の内側の事情や、ネットに出てこない話は拾えません。エージェントは独自のルートでそこを集めています。

家族がエージェント経由で転職したときも、入職の前後で担当者とこまめに連絡を取り、入職後の様子まで確認してくれていました。求人の紹介だけで終わらない。ここはAIにない強みです。

リハ職の場合、住んでいる地域で使い分けるのが筆者の考えです。

  1. 都市部で探す:病院・施設も求人も多く、比較が難しい。エージェントに登録して、表に出ない情報を集める価値が大きい
  2. 地方で探す:病院・施設の数が少なく、選べる範囲も狭い。エージェントより、地元の口コミや知り合いのつながりが効く

オープンな情報はAIで、内側の情報はエージェントや人づてで。調べる道具を分けると、比較がぶれにくくなります。

リハ職に特化したエージェントの選び方と、面談で聞くことのリストは理学療法士の転職エージェントはAIと両輪で使うにまとめました。

まとめ

  • 一般企業への転職で売るのは、資格ではなく現場でやってきた仕事
  • 職種か業界、変えるのはどちらか片方
  • 「なぜ辞めるか」と「次で何をしたいか」を、求人を見る前に一文で
  • AIの使いどころは、企業調べ・業界調べ・想定問答
  • 面接で聞かれるのは企業だけではない。業界の動きも押さえておく

今日やることは1つ。気になる一般企業の求人を1つ選び、企業調べのプロンプトの4番「私の経験と重なる点」を出してみてください。 PTの経験が、思っていたより外で通じることが分かります。