目次
- 09まとめ
職務経歴書を同業向けと異業種向けの2通り書いた、理学療法士の室長てつです。
職務経歴書、何を書けばいいのか分からない。
先に結論を言います。理学療法士の職務経歴書で詰まるのは、書き方ではなく「言い換え」です。 毎日やっている仕事を、応募先の人事に伝わる言葉に訳す。この作業をAIに手伝ってもらうと、白紙の前で止まる時間がなくなります。
この記事で使うもの。
- AIチャット(筆者はGemini中心。ChatGPTやClaudeでも同じプロンプトで使えます)
- 自分の仕事の棚卸しメモ(音声入力で話したものでOK)
- 応募したい求人の求人票
筆者は、介護職から理学療法士へ、理学療法士から事務職へと、2回転職しています。直近の転職活動は40代で、年をまたいで半年ほど。職務経歴書はGeminiと相談しながら作りました。そのとき使った手順とプロンプトをまとめます。
- PTの仕事を、同業にも異業種にも伝わる言葉に言い換える方法
- そのまま使えるプロンプト4本(棚卸し・下書き・書き分け・点検)
- 同じ経歴を「同業版」と「事務職版」で書き分けた架空の見本
- AIで書いたとバレないためのチェックと、書類の出し先
PTの職務経歴書で詰まるのは「書き方」より「言い換え」
職務経歴書の型(職務要約・職務経歴・資格・自己PR)は、検索すればすぐに見つかります。止まるのはその先。型に何を入れればいいのかが分からないのです。
筆者もそうでした。一番苦労したのは、何を書けばいいのか分からなかったこと。毎日やっている仕事ほど、当たり前すぎて「書くほどのこと」に見えません。
理由は2つあります。
- 専門用語のまま書くと、医療介護の外の人には伝わらない
- 「リハビリをしていました」だけでは、何ができる人なのかが見えない
たとえば同じ仕事でも、書き方でこれだけ変わります。
| 現場での呼び方 | 異業種の人事に伝わる言い方 |
|---|---|
| リハビリ実施計画書の作成・説明 | 目標設定と進捗管理、本人・家族への説明 |
| カンファレンス・担当者会議 | 多職種の意見調整、会議の運営 |
| ケアマネジャーとの連絡調整 | 外部の関係機関との折衝・調整 |
| 新人・学生の指導 | 後輩育成、OJT担当 |
| 行政の実地指導への対応 | 法令に沿った業務体制づくり、監査対応 |
| 介護報酬の請求業務 | 売上・請求管理 |
| 委員会活動(広報など) | 社内プロジェクトの企画・運営 |
同業(病院や施設)に出すなら、左の言葉のままで通じます。異業種に出すなら、右の言葉が必要です。この言い換えを、1人で考えるのは大変でした。AIに任せると、ここが一気に進みます。
手順1:仕事の棚卸しを、AIに聞き出してもらう
白紙から書き始めないこと。AIにインタビューしてもらい、質問に答えるだけにします。
筆者は、「職務経歴書を書きたいけど、何を書けばいいか分からない」と、そのままGeminiに伝えました。そこから質問に答えていくと、自分では書くほどでもないと思っていた仕事が次々に出てきました。1人で書くのではなく、相談しながら進められたのが一番助かった点です。
あなたは医療介護職の転職を支援するキャリアアドバイザーです。
私は理学療法士で、職務経歴書を作りたいのですが、何を書けばいいのか分かりません。
私の仕事の経験を引き出すために、質問を1つずつしてください。
・一度に質問するのは1つだけ。私が答えたら次の質問へ
・担当した業務、人数や件数などの数字、役割、工夫したこと、改善したことを重点的に聞く
・臨床業務だけでなく、委員会・会議・指導・書類・請求などの周辺業務も聞く
・10問ほど聞いたら、それまでの内容を箇条書きで整理して見せてください
なお、患者さんの個人情報と職場名は答えません。職場は「A病院」「B施設」と書きます。
答えるときは、音声入力が速いです。キーボードで打つより、話すほうが思い出す量が多くなります(音声入力でAIに話しかける方法)。
- 数字を拾う:経験年数・担当人数・指導した人数・委員会の数
- 周辺業務を拾う:会議・書類・請求・指導は、異業種でいちばん評価される部分
- 「当たり前の仕事」ほど書く:自分では小さく見える仕事が、外から見ると強みになる
手順2:下書きを作らせる
棚卸しが終わったら、同じ会話の続きで下書きを作らせます。
先に決めておくのは、書き方の型です。
- 編年体:時系列に書く。同業の病院・施設への転職向き
- キャリア式:できること(スキル)ごとにまとめる。異業種への転職向き
筆者は異業種も受けていたので、キャリア式を基本にしました。「職務要約 → 活かせる経験・スキル → 職務経歴 → 資格 → 志望動機」の順です。
ここまでの内容をもとに、職務経歴書の下書きを作ってください。
・形式:キャリア式(活かせる経験・スキルごとにまとめる)
・構成:職務要約(200字程度)→ 活かせる経験・スキル(3〜4項目)→ 職務経歴 → 資格
・スキルの見出しは、医療介護を知らない人事にも伝わる言葉にする
・私が答えていない実績や数字は作らない。足りない部分は【要確認】と書く
最後の2行が大事です。AIは、それっぽい実績を足してきます。答えていないことは書かせないと、先に決めておきます。
手順3:応募先に合わせて書き分ける
下書きができたら、応募したい求人の求人票を貼り、並べ替えてもらいます。
次の求人に応募します。求人票を貼ります。
(ここに求人票の「仕事内容」「求める人物像」「必須・歓迎スキル」を貼る)
この会社が求める人物像に合わせて、さきほどの職務経歴書を直してください。
・求人票に関係の深い経験を上に、関係の薄い経験は短く
・求人票の言葉と、私の経験の言葉をそろえる
・書き換えた箇所と、その理由を最後に一覧で示す
同じ経歴でも、出し先によって見せ方が変わります。架空の理学療法士(経験10年・急性期病院→訪問リハ、チームリーダー)で比べてみます。
| 項目 | 同業版(別の病院のPTへ) | 事務職版(一般企業の事務へ) |
|---|---|---|
| 職務要約の主語 | 急性期と訪問リハでの臨床経験 | 多職種の調整と、業務の仕組みづくり |
| 一番上に置く経験 | 担当疾患・担当件数・リハビリの専門性 | 書類作成・請求管理・行政対応 |
| 管理職経験の書き方 | スタッフ指導、臨床教育 | 勤怠管理・目標設定・評価(チーム運営) |
| ITの話 | 書かなくてもよい | Excelなどでの業務効率化を具体的に |
| 志望動機の軸 | その病院でやりたいリハビリ | これまでの調整力・事務処理をどう活かすか |
表の「志望動機の軸」を実際の文章にする手順は、志望動機をAIで作る手順とプロンプト4本にまとめています。
AIで書いた職務経歴書はバレる?
バレるかどうかより、気にすべきは面接で話がずれることです。
AIが書いた文章は、読みやすいぶん、自分の言葉より少し立派になります。そのまま出すと、面接で深掘りされたときに答えられません。
筆者の面接はオンラインでした。面接の想定問答もAIで準備し、応募先の会社のリサーチにもAIを使いました。書類と同じ会話の中で準備すると、書いたことと話すことがずれません。
出す前に、次のプロンプトで点検します。
この職務経歴書を、採用担当者の目で点検してください。
・「〜に貢献」「多岐にわたる」「幅広い」など、中身のない決まり文句を指摘
・面接で深掘りされそうな箇所と、想定される質問を5つ
・数字や具体例がなく、説得力が弱い箇所
- 面接で自分の言葉で説明できないことは書いていないか
- 数字は全部、自分で確かめたものか
- 決まり文句が3つ以上続いていないか
- 書類を声に出して読んで、自分の話し方に聞こえるか
AIに入れてはいけないもの
職務経歴書は、個人情報のかたまりです。AIに入れる前に、ここだけは外します。
- 患者さん・利用者さんの名前や、特定できる症例
- 職場名・上司や同僚の名前(「A病院」「B施設」と書き、最後に自分で差し替える)
- 自分の住所・電話番号(書類の完成後に自分で書き込む)
入力した内容をAIの学習に使わせない設定も、先に確認しておきましょう(学習させないAIの選び方)。医療介護の現場でのAIのルールは、医療介護でAIを使うときのルールにまとめています。
書類ができたら、どこに出す?
ここは、筆者の体験をそのまま書きます。
有名どころの転職エージェントには、いくつか登録しました。ただ、40代・専門職だと反応はよくありませんでした。 理学療法士の給料が、転職先の相場より高めだったことも関係していたと思います。
一方で、求人サイトのIndeedで自分で探した求人では、最終面接まで進みました。書類をAIで整えて、自分で探して、直接応募する。40代の異業種転職では、この形のほうが合っていました。
同業に転職するなら、話は別です。PTの求人は、リハビリ職に特化した転職サービスのほうが数が多く、給与や条件の交渉も任せられます。
- 同業(PT→PT):リハビリ職に特化した転職サービスに登録する
- 異業種・デスクワーク:求人サイトで自分で探し、書類をAIで磨いて直接応募する
一般企業への転職活動の流れと、AIを使った企業調べ・面接準備は理学療法士から一般企業へ転職した話にまとめました。同業で動くときの、リハ職特化型エージェントの選び方とAIとの分担は理学療法士の転職エージェントの使い方で書いています。
転職を考えるなら、20代後半から30代前半に
最後に、2回転職した立場から1つだけ。
40代での転職活動は、書類はAIで作れても、年齢で門が狭くなるのは変えられませんでした。キャリアや転職のタイミングを本気で考えるなら、20代中盤から30代前半がいい。 改めてそう感じています。
いますぐ辞めなくても大丈夫です。職務経歴書を1回書いてみるだけで、自分に何ができて、何が足りないかが見えます。それが、次の一手を考える材料になります。
まとめ
- PTの職務経歴書で詰まるのは「言い換え」。AIに訳してもらう
- 白紙から書かない。AIに質問してもらい、答えるだけにする
- 同業は編年体、異業種はキャリア式。求人票に合わせて並べ替える
- 答えていない実績は書かせない。面接で話せないことは書かない
- 40代の異業種は、求人サイトで自分で探して直接応募も有力
今日やることは1つ。手順1のプロンプトをコピーして、10分だけ質問に答えてみてください。 書くことがないと思っていた仕事が、いくつも出てきます。