【第4回】AIに「ここだけ直して」と伝える——部分修正の頼み方
Last updated on

【第4回】AIに「ここだけ直して」と伝える——部分修正の頼み方


目次
    1. 1)① 一文だけ書き直したい
    2. 2)② 一段落だけ整えたい
    3. 3)③ 一語だけ言い換えたい

前回までで、文章をまるごと変換する方法を扱いました。

関連記事

【第3回】文体の一括変換はAIに任せる——2,000字をまるごと「である調」に変える

ですます調で書いた文章をそのままAIに渡せば、全文をである調に一括変換できます。一文ずつ手で直す必要はありません。学会抄録2,000字を5秒で変換した実例と、ChatGPT・Claude・Gemini共通で使えるプロンプトを公開。学会抄録AIシリーズ第3回。

記事を読む →

ここからは、もう少し細かい話です。

抄録の草案ができて、語尾も統一できた。全体は悪くないけど、一段落だけ違和感がある。 こういう場面が必ず出てきます。

「全部書き直してもらう」ほどではない。でも、その一段落だけ自分で直すのも面倒。

このとき、AIに「ここだけ直して」と頼めます。


「全部直す」と「ここだけ直す」は違う

第3回で扱った全文変換は、文章全体を一度にAIに任せる使い方でした。

部分修正はその逆です。直したい場所だけを切り出してAIに渡す。 残りの文章は触らせません。

なぜ分けるのか。

全文を渡して「ここだけ直して」と頼むと、AIは余計なところまで触ることがあります。「ついでに」と他の文も書き換えてしまう。気に入っていた部分まで変わるのは困ります。

修正したい部分だけを切り出して渡せば、AIが触れる範囲が物理的に限定されます。


コピペできるプロンプト

以下、3つの場面別に用意しています。

① 一文だけ書き直したい

以下の一文を書き直してください。
意味は変えず、より簡潔にしてください。
である調を維持してください。

【元の文】
(ここに一文だけ貼り付ける)

「より簡潔に」の部分は「より丁寧に」「より客観的に」「より読みやすく」など、目的に合わせて変えられます。

② 一段落だけ整えたい

以下の段落を整えてください。
内容・構成は変えないでください。語尾と表現だけ統一感が出るように調整してください。
である調を維持してください。

【元の段落】
(ここに段落だけ貼り付ける)

抄録の「考察」だけが浮いている、というときにこれを使います。

③ 一語だけ言い換えたい

「(言い換えたい言葉)」をこの文脈に合うように言い換えてください。
3つほど候補を出してください。

【文脈】
(その語を含む一文〜数文を貼り付ける)

「課題」を「問題点」「懸念」「論点」のどれにするか迷ったとき、AIに3つ並べさせて選びます。


実際の使い方

私が抄録を書いていて一番よく使うのは②です。

考察のパートだけ、なぜか他より硬い。あるいは緩い。一段落分だけ、その場でAIに整えさせます。

5秒で返ってくる候補を見て、自分の文と見比べる。そのまま採用することもあれば、参考にして自分で書き直すこともあります。

これは「AIに書いてもらう」というより、「AIをセカンドオピニオンとして使う」感覚に近いです。

部分修正の使いどころ(一文・一段落・一語)


「ここだけ」を伝える小さなコツ

部分修正でズレが起きるとき、原因はだいたい2つです。

① 切り出し方が大きすぎる

「ここだけ」と言いながら、本文を5段落まとめて渡してしまう。これだと結局、全文修正に近くなります。

直したい場所が複数あるなら、1箇所ずつ別のチャットで処理する。 面倒に感じますが、結果的にこちらの方が早く終わります。

② 「どう直したいか」が曖昧

「もうちょっといい感じに」では、AIは何をすればいいか判断できません。

  • 簡潔に?
  • 丁寧に?
  • 専門的に?
  • やわらかく?

形容詞ひとつ足すだけで、出力の方向が変わります。


やってはいけないこと

部分修正で避けたいのは、AIの出力をそのまま貼り付けることです。

5秒で返ってきた候補を、確認せずに本文に差し込む。これをやると、前後の文との接続が崩れます。

AIは「渡された一文」しか見ていません。前の段落で何を述べたか、次の段落でどう展開するかは知らない。だから、出てきた候補は自分で前後を読み直してから採用する。

このひと手間が、「AIで作ったとバレない文章」と「AIで作ったとすぐわかる文章」を分けます。


この記事のまとめ

  1. 「全部直して」ではなく「ここだけ直して」が使える場面がある
  2. 直したい場所だけを切り出してAIに渡す
  3. 「どう直したいか」を形容詞ひとつでも明確にする
  4. AIの出力は前後を読み直してから採用する

部分修正は、完成度を最後の数%引き上げる作業です。全文生成や全文変換とは別の道具として使い分けてください。

→ 次の記事:【第5回】学会抄録の最終チェックをAIに頼む——「これで提出できる?」と聞く方法(近日公開)


このシリーズでは、医療介護現場で実際に使っているAI活用術を発信しています。 Xアカウント(@genba_pt_ai)でも毎日情報を発信中です。